金沢の冬の味覚・家庭の味・ソウルフードについて
今回は、「金沢の冬の味覚・金沢人のソウルフード」についてご紹介いたします。
金沢の冬の味覚の王道は「かに」ですが、一般の家庭ではいくら金沢に住んでいてもなかなか食卓にその姿を見せることは多くありません。一般家庭の食卓から料亭まで幅広く金沢人に愛されているソウルフードといえば「かぶら寿し」「大根寿し」があげられます。金沢の気候がこのソウルフードを美味しくしあげるのですが、「寿し」がついていてもシャリがあるわけではありません。蕪(かぶ)や大根などの野菜を切って塩漬けした後に麹漬けしたいわゆる漬物で、野菜に挟む食材が鰤(ぶり)であったり、鯖(さば)であったり鰊(にしん)など家庭や店舗によってその味わいは無限大に広がる金沢最強の発酵食品なのです。家庭によって、漬け込む麹の作り方もさまざまで、挟む食材もさまざま。野菜の切り方や彩として一緒に漬け込む食材も本当にさまざまなので、人によっては好き嫌いも分かれてしまいます。蕪の柔らかな食感がたまらなく好きな人もいれば、大根の歯ごたえがたまらなく好きという方もいます。また、漬かりきった麹の甘味がたまらず、麹をご飯に乗せていただくのがたまらなく好きな人も。冬の贈答品にも人気な発酵食品の一つですが、各家庭でも手作りする習慣が残っているのでスーパーに買い物に出かけると普通に米麹や塩サバが売っています。地域によっては「かぶら寿し作り体験」などが町会の行事にもあがっていて、郷土の料理を次の世代につないでいきたいという思いが感じ取れます。我が家の大根寿司の作り方を簡単に紹介したいと思います。大根は輪切りに2cm幅で切り、ちょうど真ん中にも切り込みを入れて後で魚を挟みやすくしておきます。次に、塩漬けにはいりますが、塩分濃度は各家庭でことなります。我が家は4%の塩分濃度にしていますので、漬け込む大根の重さをきっちりと測り食塩量を計算して漬け込みます。気温にもよりますが3~4日で水分が上がってきますのでそれが目安で次の工程にかかります。炊き立ての熱いご飯に板麹をほぐしたものを混ぜ合わせ熱湯をかけてさらに増せます。そのあとは炬燵などで保温して発酵するのを待ちます。発酵すると、いわゆる甘酒(砂糖が入っていないので甘くはないのですが)が出来上がります。さあ、いよいよ漬け込みです。挟む魚と彩やアクセントに人参や柚子を細千切りにしたものも用意して樽に漬け込んでいきます。大根に真ん中に魚のスライスを挟み並べて麹を乗せて彩野菜を散らします。何段も同じように重ねていき最後に重しをして、あとは麹のアルコール分が甘くなるまで涼しいところに置いておくだけです。気温にも左右されてしまいますので、温かいと発酵が進み酸味が強くなってしまいます。三位の好きな穂とはたまらないですが、適度な酸味と甘みに仕上がると何とも言えないハーモニーが生まれます。挟んだ魚の臭みもなく、なんともご飯やお酒の友によく合う逸品となります。そのまま召し上がっても、ほんの少し醤油をつけても味の幅が広がります。ちなみに私は麹だけでもご飯が進みます。食卓に毎日のように「かぶら寿し」や「大根寿し」が並ぶのも冬ならではの風景で幼いころからの慣れ親しんだ味わいが、これまた何とも言えない郷愁をそそるものなのですね。いかがでしたか、今回は「金沢の冬の味覚・金沢人のソウルフード」について紹介いたしました。
金沢へお越しの際にはぜひともご賞味いただきたいと思います。お土産屋さんにはもちろんのこと、近江町市場やデパートの地下、普通のスーパーでもたくさんの品揃えがあります。
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